テスト品質を上げる「睡眠」
※2017年のソフトウェアテストシンポジウム「JaSST’17 Kyushu」にて登壇した際にお話しした「テスト品質を上げる生活」を文字起こししたものです。詳しくは↓
そうなんです、この「睡眠」に関するセッションは、当日に時間切れで発表できなかった部分になります。ですので、本邦初公開です!
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睡眠を譲らない男
睡眠不足と生産性と幸福感と
睡眠不足だと、認知機能が著しく低下します。一節には泥酔状態と同じレベルまで(睡眠不足での車の運転は、飲酒運転と同じくらい危ない)。そうすると当然、生産性も落ちる。そして睡眠不足は精神にも影響します。睡眠不足だと経済的にも精神的にも、そして社会的にも落ちていくことになりかねません。良いことなど一つもない。
睡眠不足の脳への影響
さて、「認知機能を上げる」観点から、脳について見てみましょう。脳はとてもエネルギーを使う器官ですが、動いていれば、老廃物が出ます。
体には、リンパ系があり、随時体の老廃物をお掃除するシステムが動いていますが、脳にはそれがありません。しかし最近、脳のお掃除機能が発見されました。どうも脳の老廃物のお掃除は、寝ているときにしか動いていないようです。
睡眠時に、脳のグリア細胞が縮み、隙間ができます。その隙間をリンパ液のようなものが流れることによって、老廃物が流れ出す、というシステムのようです。
これが起こらないと、老廃物がたまり、認知機能の低下が起きます。もっとひどいと認知症など。
睡眠ホルモン「メラトニン」
さて、良い睡眠をとるには、どうすればよいでしょうか。鍵を握るのは睡眠ホルモン「メラトニン」。メラトニンが増えると、眠くなります。
このメラトニン、恒常性により、夜になると自然に増えてくるのですが、これは「辺りの明るさ」が関係しています。日中、太陽光下では、メラトニンの分泌は抑制されています。だからあまり眠くない。
そして暗くなってくるとメラトニンも増えてくるのですが、夜になっても蛍光灯の下にいると、メラトニンが抑制されてしまいます。また、テレビやパソコン、スマホなどからのブルーライトも、メラトニンを抑制してしまいます。
なので、夜遅くまで明るい場所で仕事したり、家で夜までテレビを見ていたりすると、メラトニンがあまり分泌されず、眠れない、眠れたとしても質の良い睡眠がとれない、という状況に陥ります。
質の良い睡眠をとるためには
質の良い睡眠をとって、しっかり脳をお掃除するには、最低でも寝る2、3時間前には、照明は暗くして、メラトニンを増やしましょう。
照明が必要な場合は、暗めの白熱電球の間接照明などを、目より下の位置で使うとよいようです。
また、誰かと眠る、ペットと眠る、ちょっとした生活音なども、脳が安全を感じ、深い眠りをとることができるようになります。
まとめ
しっかり寝て、脳をクリーンにして、認知機能を上げましょう。それにより、テスト品質も上がる。きっと。